2011年6月23日木曜日

【連載企画第98回】ジュエリーを本気で考える vol.18


なんと言いましょうか・・・
当時は一国の文化が一変に変わる時代でしたから、
そういった“空気”だったのでしょう。

とにかく、
ダイヤモンド屋による宣伝文句から
始まったこの習慣は見事に日本人に浸透し、
40年以上経つ今日も若者の頭の中に生きているようなのです。

ではここで、
近年のブライダルリングにかけられる平均価格を見てみましょう。


こちらは結婚情報誌ゼクシィによる
統計調査をまとめたものです。

これを見てみると「給料3か月分」というのは知られていても、
現実的な数字ではないことが一目で解ります。
安心された男性も多いのでは!?

ここでのポイントはこの数字はあくまで「平均」であることです。

中には高級ブランドの数字も入っていますので、
それが数字を引き上げていることはゼクシィ担当者さんも自覚されているようです。

故に、
筆者は自分で調査グラフを提示しておきながら、
この数字を参考にすることは「ありません」と答えます。

そもそも、
こればかりはお金云々ではなく、
“気持ち”の問題であるはずです。
そう、想いの問題――。

以上のようにまとめている記事が多いようでありますが、
しかしながら読者の皆さんの立場になってみると
なんだかんだ言っても予算は気になるもの。

「できるだけ抑えたいが、
 かといって平均より下だとどうにも都合が悪い」

こういった心境の方も多いのではないでしょうか。

余談ですが筆者の推定ではメイン価格帯は現在、
婚約指輪で25万円前後、結婚指輪で15万円前後といったあたりです。

日本一の結婚情報誌の統計「平均」ではなく、
あくまで実数字による「メイン価格帯」。
参考にするならばこの数字が良いかと考えられるのです。

いわゆるヨーロッパのスーパーブランドではなくとも、
きちんとしたブランド展開している
ブライダルショップではこのメイン価格帯(婚約指輪で25万円、
結婚指輪で15万円)を含んで高めのラインがあるでしょうし、
実店舗などコストをかけていないオンラインショップでは
これより下の価格から購入できるはずです。

「婚約指輪は給料3か月分」――。

これが、
一企業の単なる宣伝文句であるのと同時に何の根拠も持たないばかりか、
現代の統計平均はおろかメイン価格帯とも
全く関係のないことがお解りいただけたかと思います。

2011年6月22日水曜日

【連載企画第97回】ジュエリーを本気で考える vol.17


■婚約指輪は給料3か月分、あれはウソです

「100万円くらい」

婚約指輪にかける予算を聞いたところ、
その20代の若者は言いました。

その根拠は、給料3か月分だと言うのです。

「それが頭にあるから、
それぐらいかけないとケチっているように思う」

若者はそう続けました。

同じ質問を20代の他の若者に聞いてもやはり、
「給料3か月分」というのは浸透しているようです。

しかし、
その出所がどこからきたものかを知る人は
意外にも少ないことに気がつきました。

これは、
1968年にデビアス社がテレビのCMで大々的に打ち出した、
キャンペーンでの単なるキャッチフレーズです。

それが単なるキャッチフレーズである証拠に、
日本の前に行われたアメリカでは給料2か月分、
イギリスではなんと給料1か月分だったのです。

故に、
婚約指輪にかける価格を給料○か月分というフレーズには
何の根拠もないどころか、
今となってはダイヤモンド屋の宣伝文句にすぎないことが解ります。

ただし、
このキャンペーンは果たして爆発的に大当たりしました。

そもそも、
日本の江戸時代には婚約(結婚)指輪というものが存在しません。

明治に入ってからも同様で、
着用しはじめたのは昭和に入ってからも戦後のことです。

昭和初期ですら着用している人はマイノリティで
それだけで「キザ」だと思われていたようです。

それが、
このキャンペーンによって日本人のダイヤモンド指輪を
婚約時に買う人がなんと70%までに増えたのです。

2011年6月20日月曜日

【連載企画第96回】ジュエリーを本気で考える vol.16


今日では、
今まで“手間”とされていた打ち合わせ、
確認がいとも簡単にオンラインにてやり取りができます。

デザイン画もキャドでおこす3Dの立体的イメージ図は、
ほぼ出来上がりの写真を見るようです。

CADデータによる3Dのイメージ図

上記のイメージ図より製作したリング

修正を加えていってもこのイメージ図を元にデザインの話を進めていけば、
100%に近いカタチそのままに出来上がるので、
「イメージと違った!」という今までの問題も随分と減りました。

デザインイメージも、
画像検索にていくらでも参考にできる
イメージジュエリーが無料で手に入ります。

また、
メールでのやり取りは時間帯を選ばない上に記録としても残るので、
お店とお客様のやり取りに合理性も生まれます。

このインターネットのツールをうまく使えば、
コストは大幅に抑えられるのです。

「コスト」と言えば、
つきつめて考えると“ブランドコスト”をかけてない、
例えば地元の個人経営しているようなジュエリー工房、
というのも考えられます。

もっとも、
オーダーメイドをやっているかどうか、
信用ができるお店かどうか、
というのが要になってくるのは言うまでもありません。

もっと言えば、
実店舗をもたないオンライン専門のショップであれば、
単純に考えて一番コストがかかっていないはずです。

ただし、
ここでも先にあげた2点の確認ポイントは絶対的な要素になりえます。

その為にはやはり、
そのお店の“対応”が一番の判断基準ではないでしょうか。

その接客の姿勢からサービス内容、レスポンスの早さ、文章の内容など、
オンラインと言えどその「おもてなし」の気持は伝わってくるものです。

また、
オンラインショップでは一度電話をして直接向こうの「生の声」を
聞いてみるというのも、解りやすい方法かも知れません。

このお客様の要望をそのままの一点モノで製作するオーダーメイドジュエリーが、
量産する「ブランドジュエリー」とは正反対に位置するモノと考えられるのです。

【連載企画第95回】ジュエリーを本気で考える vol.15


■ブランドジュエリーに対してのオーダーメイドジュエリー

「オーダーメイドジュエリー」

この言葉を聞いて皆さんは
どのようなことを連想されるでしょうか。

「時間がかかりそう」
「手間がかかりそう」

色々あるかと思いますが、
「(値段が)高そう」
というのが圧倒的ではないでしょうか。

それもそのはず、度重なる打ち合わせ・確認から
依頼主一人のためだけにデザイン画が作成され、
依頼主一人のためだけの型を作ります。

その後、
鋳造して磨いて石留めなど加工をして仕上げます。

こう聞けばそれほどの大変さは伝わらないかと思いますが、
量産するのと決定的に違うのは、
すべての工程が「1点モノ」の為に行われるということです。

量産であればまとめて、あるいはそれこそ流れ作業のようにいくのですが、
1点モノというのは1回1回生産ラインを“止めて”、
その1個のためにまた生産ラインを動かしてゆきます。

同じデザインのものを100個製作するのと
異なるデザインのものを100個製作するのでは、
ワケが違います。

この必然的な原理のためにそれがそのままコストに跳ね返るのですが、
その為に筆者も古くから「オーダーメイドは割に合わない」と言われてきました。

つまり、
お客様にとってはオーダーメイドの値段は「割高」と感じ、
生産側にとっても「利益率が少ない」という不合理なものだったのです。

それが、
これだけインターネットというものが浸透した今日、
実はそうでもなくなっている現状を見ることができます。

2011年6月17日金曜日

【連載企画第94回】ジュエリーを本気で考える vol.14


“自分が求めるジュエリー”とはそもそも何なのでしょうか。

勿論、
これは人によってさまざまなのです。

求めるモノが「ブランド」であればそれはそのまま、
言うまでもありません。
前者のようにそのブランドが好きなのであれば、
その方はそのブランドでジュエリーを購入されるのが望ましい。

これは、どちらが“正しい”ということではないのです。
あえて正しい選択肢をあげるとすれば、
それがやはり、「自分が求めるジュエリー」となると考えます。

そもそも、
多くの人はそれほど確固たるイメージがないものです。

自分の想像だけで、
求めるジュエリーが3D、立体的にイメージできる人は稀です。

女性への贈り物として用意する男性の方には
もっと難しいと言って良いでしょう。

くどいようですが、
こうした特にイメージができない方で予算にも余裕がある人にも、
ブランドジュエリーは良いかも知れません。

前述しましたようにデザインからクオリティーまで
悩める人をリードしてくれると考えるからです。

贈られる方の趣味・趣向は別として、
“モノ”としてはずれを引くことがないことは、
高い価格によって保証されているようなものです。

では、こうした方以外の人はどうなのでありましょう。

・特に好きでもないブランドに余計なコストをかけたくない
・特別な贈り物なので自分だけの想い、こだわりを表現したい
・ブランド物は価格が知られてしまうので嫌だ

このような、先の話での後者のような人です。

ここで、
筆者はブランド品に対してもうひとつ、
重要なポイントを指摘しなければなりません。

それは、
ブランド品が基本的に「量産品」である以上、
自分と同じモノを他の誰かが身に着けているということです。
街で歩いていて、
自分と同じ服を着ている人を見かけたことはありませんか。

服もジュエリーもそれこそ無数に存在するのでなかなかありませんが、
ブランドであるが為に逆に目だってしまうということも言えます。

とは言えやはり、
こうしたことは滅多やたらにあるものではありませんが、
“こだわり”を持っている方、
もしくはこだわりたい“シチュエーション”には、
ブランドジュエリーではない選択肢もあるのです。

それが、オーダーメイドジュエリーです。

2011年6月16日木曜日

【連載企画第93回】ジュエリーを本気で考える vol.13


ここで、2つの声が聞こえてきます。

「ブランドに莫大な広告費がかかっているのは知っている。
 私は、そのブランドが好きだから、買うのだ。
 コストがどう、とかお金の話ではない」

もっともであります。
筆者はなにも
「ブランドは余計なコストがかかって高いからよした方がいい」
と言っているのではありません。

それは、
筆者自身がカルティエのファンであることを
思い出していただくととお解りかと思います。

現に今―こうして原稿を書いている今―も
首にはトリニティのペンダントネックレス、手首にはパシャを身に付け、
机の上にはボルドー色の手帳に黄金色のボールペンが置いてあります。

筆者もこの声の持ち主の方と同じように、
「好きだから」買っているのです。
これだけで、自分には充分の理由となります。

それに、ブランドコストを“余計な”コストだとは筆者は思いません。
これは、ブランドを維持していくのに必要なものであり、
これを怠ればブランドイメージは保てないでしょう。
自分の好きなブランドが百円均一のお店のような店づくりでは、
ブランドファンを悲しませてしまうはずです。

ブランドにとってはあくまで“運営方針”の違いであり、
購入する側の消費者にとっては“好み”の違いであるだけです。

続いて、2つめの声です。

「私はブランドには特にこだわりはない。
 となると、本来の商品価値である商品価格以上に
 余計なお金をかけたくない」

なるほど。これもごもっともであります。
ブランドコストにお金をかけたくない、
いや、かける必要がないというこの考え方は、
特にブランド消費大国の日本人にとっては目の醒めるものでもあるようです。

前者の方にとっては「気にしないコスト」であっても、
後者の方にとってはたしかに「余計なコスト(お金)」であるのです。

ここでもダイヤモンドの「4C」の時と同じように、
「ブランドだからといって(自分にとって)必ずしも良いモノだとは限らない」
という本質を考えると、この後者の方には
他にて自分が求めるものに出逢えるはずです。

2011年6月15日水曜日

【連載企画第92回】ジュエリーを本気で考える vol.12


とにかく
こうした具合で単純にジュエリーが「掛け率何%で」、
というお話ではないのですが、
ここはあくまで「シミュレーション」であるため、
このまま数字を追っていきたい。

一方、
通常の流通で考えると掛け率は50%前後、
つまり下代の2倍前後の上代だというのと比べると
その掛け率が高いことが解ります。

これがジュエリー流通の
ひとつの特色であると考えられます。

では、
何故こうまで上代設定が変わってくるのでしょう。

この違いこそが、
それぞれのお店が持つ“ブランドコスト”というものです。

例えば原価の3倍で上代設定をしたとします。

すると店頭に並ぶ価格はこちらのリング、
9万円になります。
これが、いわゆる「商品価格」になります。

上代から下代を引いた6万円がこのお店の営業利益となりますが、
この中から家賃、人件費、広告宣伝費、その他諸経費が引かれていきます。

ブランド価値、
というものはこの商品価格にさらにブランドコストを
かけたものであるのです。

これを今回の数字で表すと25万円、
つまり下代3万円に8.33倍をかけたもの。

そのブランドコストとは、
前述したブランドイメージを維持するために
かかるコスト(25万-9万=16万円)です。

この16万円の違いが、
ウィキペディアにも記載があった
「商品価格」と「ブランド価値」の違いでもあるわけです。

【連載企画第91回】ジュエリーを本気で考える vol.11


当たり前のようなことを言っているのは解っています。

ただ、
皆が皆これを理解した上でブランドモノを購入しているとは思えません。

例えば、
先に話に上がりましたように
25万円のブランドジュエリーリングがあったとします。
実例があったように、ここでも原価は1万5千円とします。

この原価は地金代や職人さんの加工賃などが含まれる、
所謂“実費”です。

そしてこれは生産工場での原価であるため、
生産工場がこれを量産して3万円で卸したとしましょう。
この差額は、生産工場の利益となります。

ここにさらに中間卸業者が入る場合もありますが、
今回はあくまでシミュレーションの為
シンプルに考えて参ります。
(中間卸業者が入る場合は勿論、その都度価格は上がっていきます)

卸価格で仕入れた小売店は、ここで上代設定をします。

つまりこの小売店にとっての下代は3万円で、
これにお店の運営費を計算していくらで販売するかを決定するのです。

こればかりはお店によってさまざまですので
何とも言えませんが、2倍から5倍くらいとまちまちです。

ただし、
まちまちであるのと同時に価格帯によっても
掛け率の設定が変わるのが通例で、
さらには「商品そのものの価値」を見極めなければなりません。

この“価値”に関しては、
絵画というものがその芸術性でピンキリの価格がつくのと
原理は似ているのかもしれません。

2011年6月14日火曜日

【連載企画第90回】ジュエリーを本気で考える vol.10


では筆者は何を言いたいのか?
この矛盾を解くにはまず考え方にあります。

ブランド“だから”きれいではない、
これはダイヤモンドの時と同じで、
つまり順序の問題であるのです。

私はこの「順序」の違いに気づいた、
ということなのです。

ブランドが使う素材はまず悪いクオリティーのものは使いません。

例えば、
ダイヤモンドで言えばSI、Iクラスのものを使用しなかったり、
「当ブランドではエクセレントカット以上のものしか使用していません」
といった方針、信念がブランドにはあるものです。

こうした素材は解りやすいですが、
その他生産する際に腕の見せ所となる職人さんの
技術も最高級なレベルのものです。

こうした素材や技術がたしかにハイクオリティーである、
これが今日台頭しているブランドのひとつの要素と言っても良いでしょう。

しかしウィキペディアにも記載があった通り、
こうした商品価格とブランド価値は必ずしも一致する
とは限らないのです。

では単刀直入に言いたいと思います。

「ブランド価値とは、商品価格にブランドコストがプラスされたもの」

ということです。

【連載企画第89回】ジュエリーを本気で考える vol.9


となるといささか自分のやり方にも疑問を持つようになりました。
私は前述しました。

この時には、
「カルティエ」というその5文字を見るだけで「きれいだな」と
無意識のうちに思うまでになってしまいました。

このことは、もしかすると危険かも知れない、
という自分への疑問です。

たしかに、
カルティエの製品は(特に私にとっては)魅力的なのかも知れない。

しかし、
カルティエ“だから”きれい、ということではないはずなのだ。

ダイヤモンドの4Cと同じで、
鑑定機関による4Cのグレーディングによって
その良し悪しが決まってくるのではないのです。

この当時、
ブランド雑誌を意識してみるようにしても、
気がつくとカルティエばかりに目が行っていたものです。

ブランドによっては“らしさ”とでも言うべき傾向があるので、
カルティエに関しては見たことがない初めて見るデザインでも、
時には解るまでになっていました。

そして、
それからはまんべんなく興味を持って
他のブランドデザインも見るようにしていきました。

私は矛盾を言います。

しかしながら、ブランド
―ここでは、ヨーロッパの著名なスーパージュエリーブランドのこと―
は確かにきれいなものであります。

デザインは繊細でセンスに富んだものが多く、
クオリティー技術も果たして高いものです。

2011年6月11日土曜日

【連載企画第88回】ジュエリーを本気で考える vol.8


以上のようにブランド、特にその商品が
もっとも高額なジュエリーブランドともなれば、
そのブランドイメージが非常に大事なものであることが解ります。

解ってはいるものの、
そのイメージを保つためには相当な費用がかかります。

まずはその店舗です。
言うまでもなく最高の立地条件に立ち、
内外観も著名なデザイナーにより設計されています。

高級感溢れるインテリアが使用され、
店員は採用されるポイントに「高級感ある容姿」であることも求められます。

もちろん、
その製品を手がける職人さんの技術は果たして高く、
誰もができるものではないだけにその人件費も自然高くなります。

生産面で言えば徹底されつくした品質管理や商品管理など
例をあげればキリがありません。

これらの上に、特筆すべきはその広告宣伝費でしょう。
ブランドイメージを最高のレベルで維持するために、
ここにその経費を大きくかけていることが挙げられるのです。

このように、
少し考えればブランドの裏側である
そのコストが容易に見えてくるのであります。

それを具体的に見たのが前述した「16倍」という数字だったのです。
今回筆者が見たカルティエのリングの場合、
この残りの「15倍」の部分にあたるそのほとんどが、
これらコストに充てられるのです。

これが高額なジュエリーの、
その中でもブランド戦略という特殊な世界なのです。

【連載企画第87回】ジュエリーを本気で考える vol.7


このことから、他の売り手・売り手集団の製品・サービスを識別し、競合他社(他者)のものと差別化することを目的とした、名称、言葉、シンボル、デザイン及びそれらの組み合わせであるとされる。他社(他者)の製品・サービスより優れており、それを顧客に認識させることによって、企業等にとっては顧客の安心感を獲得でき、自有ブランドに「価値」が生まれる。
ファッションにおけるブランドは、個性がより求められるため、他業界よりも差別化の価値が高いとされており、いわゆるブランド戦略が成り立ちやすい。高価格・高品質で、そのデザインやコンセプトが賞賛を浴びるプレステージブランドはその好例である。

またファッションでは商品の品質とは別に、「どこで買ったか」も重要な要素となる。そのため商品価格とブランド価値は必ずしも一致するとは限らない。例えば、質が同程度の商品がA店(低価格が売り)とB店(おしゃれなことで定評がある)で売っていれば、消費者は例え低所得層であってもB店を選ぶ傾向がある。「家電製品と衣類は違う」のである。

昨今のアパレル系企業においては、商業的な手法で次々とブランドを立ち上げ、売り上げ次第でいとも簡単にコンセプト変更・切り捨てが行われる手法が存在するのは、前述の事例とも無関係とはいえない。

2011年6月10日金曜日

【連載企画第86回】ジュエリーを本気で考える vol.6


すると残りの「15倍」にあたる部分はどこにいっているのか。

その答えがブランドの正体を解く鍵であり、
また所謂ブランド戦略というものに繋がります。

これをグッチの創業者グッチオ・グッチが
巧妙な表現で言葉にしています。

「原価は何も意味を持たない。むしろ商品の値段が
高ければ高いほどそれを所有することの価値も高くなる」

なるほど。
確かにこれはジュエリーでも言えることではないでしょうか。

ジュエリーではなくとも、例えば贈り物をする時にでも、
その値段が高ければ高い方がそのモノに誇りが
持てるものだと思えるのです。

また、
グッチは世界で初めて品質保証のためにデザイナーの
名前を商品に入れたことでも知られ、
ブランドの元祖とも呼ばれています。

「ブランド」。

では一体、ブランドとは何なのでしょう。
ここでは、ウィキペディアより引用します。

ブランドとは「焼印をつけること」を意味する brander というノルウェーの古ノルド語から派生したものであるといわれている。古くから放牧している家畜に自らの所有物であることを示すために自製の焼印を押した。現在でも brand という言葉には、商品や家畜に押す「焼印」という意味がある。これから派生して「識別するためのしるし」という意味を持つようになった。「真新しい」という意味の英語 brand-new も「焼印を押したばかりの」という形容が原義である。日本でも紀文食品はその創業時、主力の蒲鉾やちくわに焼印を付けることで、商品の希少性、信頼性を認知させてきた。

【連載企画第85回】ジュエリーを本気で考える vol.5


筆者がバンコクの生産工場に勤めていた時のこと、
いつものようにジュエリー雑誌を見ては勉強していました。

そこにはカルティエの、とあるリングが載っていました。

自分の「ジュエリーの目」を養うためには
高級ジュエリーをまず見るのが一番だと思っていた筆者は、
定期的にブランドジュエリーを意識して見るようにしていました。

「これが高級で良質のジュエリーだ」
と目に焼きつけ、脳にインプットしていたのでした。

この時には、
「カルティエ」というその5文字を見るだけで「きれいだな」と
無意識のうちに思うまでになってしまいました。

価格は、25万円。

そのブランドプライスも、
感覚として覚えていくように心がけていました。

ところでこの25万円、原価はいくらくらいなのだろう?

ふとそう思ったのは、
生産工場に勤務していた筆者にとっては、
当然の疑問だったに違いない。

すると、
どう計算してもその原価はせいぜい1万5千円程度なのです。

なんと、16倍以上もの価格がついている。

当時、
「卸価格」で仕事をしていた筆者にはこの
「16倍」という掛率が強烈なインパクトなのでした。

2011年6月9日木曜日

【連載企画第84回】ジュエリーを本気で考える vol.4


■ブランドジュエリーの正体

さてもうお解りのように、
筆者がこのジュエリー業界に入ったきっかけも
カルティエを通して
ジュエリーをより一層好きになったからでした。

カルティエは、
言うまでもなくジュエリーブランドであります。

初給料で購入したバッグや手帳もそうですが、
元は1847年にルイ・フランソワ・カルティエが
宝石商で師匠のアドルフ・ピカールの後を継ぎ、
工房を譲り受けるところから始まります。

こうして考えると、
ブルガリも宝飾店、ティファニーは雑貨屋、
ヴィトンはトランク工場、グッチは皮革職人、
エルメスは馬具工房とその出発店はさまざまであります。

さまざまではありますが、
その扱う商品は似ているところがある。

カルティエが財布やバッグを扱うように、
元馬具工房もジュエリーを扱います。

この点、
ジュエリーが「もともと」好きだった筆者は、
やっぱり出発点から宝石商であったカルティエに
親近感を感じられずにはいられません。

筆者の話はいい加減置いておきまして
「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」と讃えられた
そんなカルティエの、
“ある部分”を知ったのはこの業界に入ってからでありました。

【連載企画第83回】ジュエリーを本気で考える vol.3


筆者がカルティエに魅力を感じたポイント、
ひとつ挙げてみたいと思います。

それは、その歴史であります。

今ではブランドを代表するシリーズとなったいくつかは、
その始まりが「大切な人の為に」作ったものなのです。

まずはサントスの時計。
1904年当時、飛行家としてすでに著名であった
アルベルト・サントス・デュモンは
「飛行機を操縦しながら時間を見るのに懐中時計ではとても不便だ」
と友人のルイ・カルティエに話しました。

そこでルイが大切な友人のために作った時計が、
カルティエ初の男性用腕時計でした。

続いてトリニティは、
1924年に詩人ジャン・コクトーの為に
オーダーメイドで製作したもの。

ジャンがその友人であるラディゲに贈る為に
カルティエにしたそのオーダー内容は、
「未だかつてこの世に存在しないリングを作ってほしい」
というものでした。

そして1930年頃にはパシャが登場します。
マラケシュのパシャであったエル・ジャウイ公から
「泳いでも平気な腕時計をぜひとも作ってほしい」
という依頼で、
またもルイ・カルティエはその要望に応えるべく
防水時計の開発に着手しました。

これら代表するアイテムが誕生するには、
「大切な人の為に」製作したという物語があります。

この“スタイル”が、
筆者にとってカルティエに対して感じる大きな魅力となっていきました。

この第三部を書く前に、
筆者自身がまずカルティエを愛して止まない
ファンだということを記させてもらいました。

2011年6月8日水曜日

【連載企画第82回】ジュエリーを本気で考える vol.2


学生を終えてからもカルティエへの熱はあがっていきました。

恥ずかしい話なのですが、
社会人になっての初給料は親への恩返しでもなく、
自分の為に購入したカルティエでした。

ブティックへ行き、
トリニティのペンダントネックレス、
サイドバッグ、ボールペン、キーケース、
手帳などをまとめ買い。

正に西洋かぶれならず、
“カルティエかぶれ”でありました。

それからも私の「カルティエグッズ」は増えていくことになりますが、
このカルティエかぶれ、途中より(少しずつではありますが)
まんざらでもなくなってきたように思います。

特に当時はよく人に、
「カルティエのどこが好きなの?」と聞かれたものです。

「好きな理由!?」

はじめは正直戸惑いました。
その理由らしきポイントはいくつかあるが、
絶対的なポイントというものが特に見つからない。

おそらくは、
そのいくつかのポイントが合わさっての感情のようにも
考えられますが、未だに答えは解りません。

そもそも、
好きなモノに理由などいりましょうか?

ラーメンを好物である理由は「美味しいから」、
そんなシンプルで筆者はいいと思うのです。

「好きなモノに理由はいらない」
それが今のところの答えと言ったところでしょうか。

【連載企画第81回】ジュエリーを本気で考える vol.1


筆者の学生時代、
上京した時に私は西洋かぶれしてしまいました。

東京のそこにいる皆が皆、
ヴィトンのバッグを肩に提げ、
グッチの財布を持ち、
ティファニーのリングを指にハメていました。

ズボンのことを「パンツ」と呼び、その発音も微妙に違う。
そんな些細なことでも当時の筆者には何から何まで衝撃的で、
ブランド物を持つその人たちがやけに“都会人”に見えて
素直に「カッコいいな」と思っていました。
筆者より地方から出てきた人も多かったのに。

そこで、
「自分も何か好きなブランドを持とう!」と決めました。

しかし、
人と同じものを持つのははじめから嫌でした。

当時の周りではまずダントツにヴィトンが多かった。
男女問わず持っていたし、特に女性は100人いたら
90人は何かしらのヴィトンを持っていたのではなかろうか。

かといって所持して誰にも気づかれない、
というのも寂しい。

第一流のブランドで、
あまり人が持っていないもの、そんなものはないだろうか――。

そんな時、
女性の友人から「カルティエの財布買わない?」と
偶然勧められたのです。

見るとそこにはカルティエを代表するあのボルドーカラー、
当時より赤色を一番に好んでいた筆者は
それに一目惚れをしたのでした。

今思えばこれがカルティエとの出逢いだったのですが、
今も筆者のポケットにはこの時の財布が入っています。

2011年6月7日火曜日

【連載企画第80回】金は売り時?買い時? vol.44


さてこの部の終わりに、
材料・物質研究機構原田氏の言葉を改めて思い出されたい。

「現実には「レジ袋」を削減しただけで、社会全体でどのくらいのCO2が削減されますか?」
「もっと大きなインパクトがある、効果が期待できる削減方法・・・」
「もっと効果が上がる方法は他にないか?」

「レジ袋」や「携帯電話」によるコンセンサス作りの第一段階は、
すでに終わっているのです。

我々は、“第二段階”に進まなければなりません。

含有率75%という強烈なインパクト、
天然鉱山と比較して98%オフのCO2削減効果、
都市鉱山よりも効率が良いその採掘手段、
これらを考えると 
このタンス鉱山こそ第二段階であると筆者は考えるのです。

我が国は世界でも類ない都市鉱山大国です。
世界ではたしかに、
この都市鉱山の処理方法について注目をしています。

とりわけ“たんす預金”を得意とする我々日本人のタンス鉱山に着目して
これを高値のうちにリサイクルし、世界に向けてあるべき姿を見せるのが、
第二段階だと筆者は考えるのです。

バブルがはじける前に。
そして、限りある資源である“金”が枯渇する前に。

【連載企画第79回】金は売り時?買い時? vol.43


そんな人道的ではないことをしなくても、
金が眠っているところが他にある。

そんなに人々を苦しめなくても、
金は私たちの身の回りにある。

そんなに自然を壊さなくても、
金の塊がすぐソコにあるのです。

そうです、タンス鉱山です。

筆者はなにも、
「裕福」だと言われる我々日本人の持つジュエリーを
すべてリサイクルした方がいいと言っているわけではありません。

タンス鉱山の定義を振り返ってみましょう。
それは、

「タンスの中に眠っている不要なジュエリー」

とありました。

不要、つまり使わないジュエリーの
リサイクルを提唱しているのです。

「いつかは使うかも知れません」
「売る必要性を感じられない」

だったらリサイクルしなくてもいいと思います。

ご本人がそう言うのだから、
“いつか”は使うのかも知れません。

ご本人がそういうのだから、
売る必要性は(ご本人にとっては)ないのです。

しかし、
タンスの中に眠っている“本当に”不要なジュエリーは、
私達の周りに意外と簡単にあるものです。

不要なジュエリーは不要であるがために、
その存在すら忘れられていることもよくあります。

使わないのなら、その金を筆者は“売り時”だと考えます。

筆者はそういった意味で今は“買い時”ではなく、
不要なジュエリーの“売り時”だと思うのです。

だから、私は「金は買い時か?売り時か?」と単純に聞かれれば、
「売り時です」と答えます。

何故なら今までにお話した環境問題、生産現場のお話、
そしてタンス鉱山の話に加えて
明らかにバブルで史上最高値を更新し続けている今日だからです。

貴金属買取業者がよく言う「高価買取!」というのもまんざらでもないのが、
ほんの10年前に買った金が3倍以上になっていることです。

バブルがバブルである以上、
はじける前がこのタンス鉱山の輝く時期なのです。

2011年6月6日月曜日

【連載企画第78回】金は売り時?買い時? vol.42


ここでは、谷口正次著書の「メタル・ウォーズ」より一部を引用いたしたい。

 採掘しているところは先住民たちにとって聖なる山である。そこは先祖の霊が棲むところで、自分たちも死んだら、彼らの霊もその山に行くことになると考えられている。そのような信仰の場所を破壊され、祖先から引き継いだ土地を追われている。
 
 暴動を起こして反抗したり独立運動をするような先住民は、インドネシアの正規軍が容赦なく制圧するわけである。すでに多くの人が殺害され、20万人とも数十万人ともいわれている。脅迫、監禁、強姦、拷問、殺害、行方不明はしばしばのようである。そして、企業は鉱山を警護してくれる軍に対して、直接費用を支払っている。

(中略)

 河川に毎日少なくとも20万トンの有害物質を含んだ選鉱カス(テーリング)を投棄するため、熱帯雨林のなかに広範囲にわたってテーリングがオーバー・フローし、森林と生態系の破壊が進んでいる。
 
 鉱山の採掘現場で発生する廃棄岩石は、そのまま谷に投棄するわけで、その量が一日30万トンである。合計すると毎日50万トンの廃棄物が捨てられ川に流れ出しているわけである。山裾では地滑りがしばしば発生し、労働者の死亡災害が起きる。

金の“現場”もまた、人道的ではない事が
起こっているようです。

そしてこれは、一部の例なのでしょう。

それは現場、
つまりアフリカ、東アジア、南アメリカの
金が出る一部の地域が、狙われているわけであります。

【連載企画第77回】金は売り時?買い時? vol.41


 同じアフリカでは、
コンゴ(DRC)に行ったこともありました。

同国にダイヤモンド鉱山を所有する企業よりの依頼で、
当時支援を開始したHIVクリニックの現地調査の為でした。

そのHIVクリニックは村の中にもありましたが、
末期の人が集まる隔離された集落にも行きました。

隔離された集落のクリニックは衛生上とても
“クリニック”とは言えない状態で、
スタッフの人と話していると外に行列が。

「あれは何ですか?」と聞くと
「今日も一人エイズで死んだのです」と言います。

外を見ると茶色い土の上に裸で無邪気に遊ぶ子供たち、
まるで映画の世界でした。

そう、
映画と言えばこの時のワンシーンがまだ目に焼きついて
残っていたころ、あの「ブラッドダイヤモンド」を見たのです。

ブラッドダイヤモンドはご存知紛争ダイヤモンドを巡る映画ですが、
あの映画の中に見られる一部の悲しい世界は今でも実際に起こっています。

強制労働、強奪、強姦、殺人、人身売買・・・。

その映画と近くに行ったあのアフリカ現地が、
どうにも話をリアルにするのでした。

“現場”は、果たして“深刻”なのであります。

話が少し反れてしまいましたが、
では金の“現場”はどうなのでしょうか。

【人間力第59回】怒の攻略法

 お久しぶりです。


最後はサタデーナイトフィーバー

何かに腹が立つこともあるでしょう。ほんの小さな事でも構わない。その時自分はしかめっ面をしているのだろうか?それとも文句を言っているのだろうか?物にアタる人もいるでしょう。それとも、逆に自分は笑っていられてるのだろうか?

ここで笑えていたら、“怒”の達人であります。逆にしかめっ面をしてしまうようなら、文句を言ってしまうようなら、次から試しに笑ってみることにする。初めは作り笑いでも一向に構わない。顔が引きつっていても問題はない。

これを続ければ、やがてそれが私の人格となり、人間力へと繋がっていくはずだ。再確認。初めは意識して無理矢理にでも良いのであります。もし、怒の感情に負けてしまいそうで、笑えそうになかったら、あるいは笑えない状況もあるでしょう、そんな時は次の呪文を心の中で唱えてみることにする。

「人間が小さい、小さい」

「ここで怒ると、今目の前の人と同じレベルになってしまうぞ」

「器を大きく、大きく」

2011年6月5日日曜日

【連載企画第76回】金は売り時?買い時? vol.40


■金は売り時?買い時?

以前、
アフリカでカカオを栽培する子供達がチョコレートを
見たことも食べたこともない、というので食べさせてあげよう!
という番組を見たことがあります。

チョコレートという“存在”は知っている・・・。
それはどうやら甘いもので自分と同じ年の
世界中の子供達が美味しく食べている・・・、
とは思っているのかどうか。

そのチョコレートを渡すと、
はじめは黒い物体とカメラに戸惑いながらも
溢れ出る子供達のその喜ぶ顔は最高の笑顔。

ありふれたドキュメンタリーではあります、
もしかするとカメラの向こう側ではヤラセの部分も
あるかも知れません。

しかし、
これだけは解っていることは、
それを見た私は確かに感動したことです。

はい、感動しました。

しかし、
それだからといってアフリカのその子供達に
チョコレートを定期的に送ってあげよう!
だとか、
何か彼らの役に立つために寄付なりボランティアをしよう!
とは考えもしませんでした。

おそらく、
あの番組を見たほとんどの人がそうだったのではないでしょうか。

感動はたしかにした。
が、それによる活動にまでは至らない。

筆者の場合、
チョコレート業界の人間ではなく、
またチョコレートにおいてなにかの影響力やノウハウなど
何も持っていないからだったのでは、
と今この連載を書いていてふと思い出したのです。

恐れながら筆者が例えば、
チョコレートの世界でそれなりの“力”を持っていたとしたらきっと、
こういった人達がいることを知れば、
チョコレートの魅力を現地の子供たちにも共有してもらおうと考えるのでしょう。

これを「何を偉そうに!」と思われるのなら、それは結構です。
誰かに解ってもらおうとしているわけではなく、
その方が自分を含めた皆が喜ぶだろうし、結局それが生産性の向上にも繋がるはずだからです。

【連載企画第75回】金は売り時?買い時? vol.39


ではこの金高騰はバブルなのでしょうか。

そもそも金という資源価格は「実需の裏付けがある部分」と
「膨張するマネーの部分」の二重構造になっています。

限りある資源が実際の需要によって買われるという“非バブル”の部分と、
投資目的で買われてその信用が収縮現象を起こすことで
たちまち暴落する可能性のある“バブル”の部分とがあります。


その実需の部分を地上在庫の数字で見てみると図のようになりますが、
この数字を大幅に上回る投資マネーが動いているのです。

その規模は30兆ドルを超えるという声もあり、
どこの数字を見ても地上在庫以上の投資マネーが
流入していることは間違いないようです。

これを、バブルと言わずに何といいましょう。
バブルは果たして、はじけるものであります。
はじけないものはバブルではありません。

それがいつなのかは私には解りませんが、
前述したように近未来なのかも知れません。

ただし、
長期的にみるとまた騰がることは充分に考えられます。

それは20~30年後に来るであろう「金が枯渇」する要因と、
実需の部分があるからです。

今や経済成長が著しい中国とインドが、
揃いも揃って金大好き大国であります。

この大国が“大国”である証拠に、その人口もダントツで
世界第一位、第二位であります。

文明が発達すればするほど工業製品に金は使われ、
それ以上にこれからの中国、インドの実需は増えていくのでしょう。

だとすれば、
投資マネーによって作り上げられた“バブル”の部分は近未来に一度暴落し、
その後また実需の範囲内である“非バブル”の部分が
騰がっていくのではないのでしょうか。

それは誰にも解りません。

解りませんが、
今後数十年の内に、金が何回か異なる存在として
変化していくことが考えられるのです。

【連載企画第74回】金は売り時?買い時? vol.38


このWGC日韓代表の言葉にある数字、
つまり世界相場が1トロイオンス(=31.1034768グラム)あたりの
米ドル建てで算出されることはすでにお話しました。

「少なくとも向こう3年間は上昇基調で、1000ドル越えもあり得ると思います」
とは貴金属情報発信企業の代表。

「金価格は1200~1300ドルに達していてもおかしくありません」
とは貴金属アナリスト。

「1300ドルまで上昇するかどうかの時点で、バブルははじけるのではないのか」
とは前述した鬼塚氏がその著書で示した見解でした。

こうしたように、
今日ではさまざまな専門家がその見解を述べていますが、
WGCの日韓代表をはじめとしてことごとくその予測を上回る事態なのです。

2011年6月現在、1540ドル。
依然、金価格は史上最高値を更新し続けています。

一方、これらの他にも
あるゴールドアナリストは
「年内(2010年)に1400ドル。長期は2200ドル」
と予想。

証券会社運用部長は
「年内(2010年)に2000ドル。長期で3000ドル」
と予想。

さらに大手商社経済研究所長は
「年内(2010年)に1300ドルを突破、控えめに見ても中長期で3000ドル」
という見解もあります。

重ねるようですが、
WGCほどの専門家の見解を大きく上回っている以上、
どれが真実に近いのかがよく解らないのです。

これは、
そもそも市場の動向が”明確に予測できるものではない”
ということなのでしょうが、別の言い方をすると
今の金価格高騰はそれだけ異常な動きだと言うことなのでしょう。

【連載企画第73回】金は売り時?買い時? vol.37


本連載は冒頭でもお話しましたように
騰がり下がりを追求していくものではありません。

しかしながら、
このまま鬼塚氏の言う通りの暴落がおきてしまっては、
後の祭りです。

そしてその内容は、
いちいち組織の発表や業界著名人の言葉を引用していることからも、
充分にあることなのだと思います。

鬼塚氏がその著書でも言うとおり、
中国は金の生産量を偽り隠しているのかも知れません。
ここまでの話になると何が真実なのかがよく解らないのです。

「今後2~3年で徐々に1000ドルの大台を固める方向だと思います。ただし、投機的な売りにより800ドル台までの下げもあり得る。上げの道は決して平坦ではない、と見ています」
「上値はまずは1200ドルと見ています。ただし、これも仮に付けたとしても瞬間タッチでしょうね」

これは元スイス銀行、
現在は金の国際機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)
日韓代表の豊島氏の見解(2009年10月)でありました。

WGCとは、
英国に本拠を構える、世界の主要鉱山会社40社で
設立された非営利組織であります。

金に関する調査や研究、
規制の撤廃や物流システムの改善支援、
正しい知識の普及や投資の促進など多方面での活動を行っています。

2011年6月3日金曜日

【連載企画第72回】金は売り時?買い時? vol.36


■金高騰のこのタイミング

さて、
これまでいろいろなお話をして参りましたが、
この金高騰はいつまで続くのでしょうか。
そのタイミングを見計らっている方もおられると思います。

それも当然、
これからも騰がっていくのなら何も“今”売る必要性はありません。

ただ、
最近囁き始められたようにこの金高騰がバブルだとしたら、
最高値を更新し続けている今がタイミングなのかも知れません。

ここで、
ひとつの文章を引用します。

ロスチャイルドと金融エリート集団、すなわち国際金融マフィアたちは金ETFという投資賞品を“発明”した。そして金塊に群がるコガネムシたちを大量に培養し、利用した後に殺戮する計画を立てた。コガネムシたちは洗脳者の巧妙な言葉をスピリチュアルなまでに妄信している。洗脳者に心を変えられて喜びさえする。小さな甘い誘いを受け入れたコガネムシたちは次なる甘言もまたさらに受け入れて、ゴールドの亡者となっていく。そしてついに、巧妙に仕掛けられた罠、金のバブルが崩壊するのだ!

これはノンフィクション作家である鬼塚英昭氏の著書
「金は暴落する!2011年の衝撃」より引用したものです。

氏はその題名からも解るように
「2011年の後半か、遅くとも2012年に」
金価格は一気に暴落していくと言われます。

この本を読んでいると、
裏で動く闇組織があり本当に崩壊するのだろうと思えるから不思議です。

2011年6月2日木曜日

【連載企画第71回】金は売り時?買い時? vol.35


こうした“タンス鉱山”のお話を経済産業省に提案したところ、
「行政の介入する必要性はないとの判断になりました」
との返答だったのです。

考えられる理由としては、
担当の方とお話している時から言われておりました。

「国としては一企業の利益を援けることはできない」
ということがひとつと、
もしこれを実行するにしてもその提案者はこの事業に必ずしも参加できない、
要するに業界に影響を持つ大手企業やジュエリー協会等の組織と連携して行うことになるようです。

それはつまり、
経済産業省の“トップ”と業界大手企業の“トップ”とで話し合い
国の予算からこの事業に充てる資金を集めていくということです。

一企業の利益がどう、というよりも、
このタンス鉱山のポテンシャルを考えると誰かがこれをやるでしょうし、
また減少していく金の生産量とそれに反比例するように増える需要を考えると、
自然とタンス鉱山が注目されていくはずなのです。

ならば時期尚早であったのか。

いや、筆者はそうは考えません。
業界の一人の人間としてフェアにこのタンス鉱山、
つまり不要なジュエリーをリサイクルする“意義”を
提唱していこうと思うのです。

何故ならば 今 このタイミングと、
タンス鉱山は我々のすぐ身の回りにあるからです。
タイミングに関しましては、後述していきます。

その活動のひとつとして、
“タンス鉱山物語”というムービーを制作いたしました。
よろしければご覧ください。

【連載企画第70回】金は売り時?買い時? vol.34


このタンス鉱山には時にプラチナも採掘されます。

プラチナはPt900やPt950といった純度が多いので、
この場合(素材は変わりますが)、
含有率は90%以上というものになります。

その埋蔵量はと言うと、
実は解りません。

それもそのはず、
この“タンス鉱山”は筆者が呼称しているにすぎないため、
どの機関でもその数字を発表していないのです。

ただ、
推定として―あくまでひとつの目安として―都市鉱山の1割でも680トン、
タンス預金の1割としても750トン(30兆円×10%÷4,000円)ありますから、
どんなに低く見積もってもその規模が小さくないことは察しがつきます。

また、矢野経済研究所の調べにおいて、
1960年から2008年までの国内ジュエリー市場規模(小売金額ベース)を
総合計(累計)したものに約60兆円という数字があります。
そして、同研究所ではこのうちの価値ベースとして20兆円を推計としています。

これら価値ベースの中には、
 1.ダイヤモンドなどの宝石類
 2.プラチナ素材
 3.金素材
と大まかに3種類に大別できそうです。

これを単純に3分割すると1,666トン(20兆円÷3÷4,000円)もの数字となり、
金だけに着目してもやはり1,000トン以上はあると考えられるのです。

いずれにしろ、
一兆円産業の大台をはるかに上回るタンス鉱山があることは間違いありません。

削減できるCO2に関しましては、
都市鉱山と同じく(天然鉱山の)50分の1です。

都市鉱山が廃棄物の中から金を取り出す作業を考えれば、
その必要がないタンス鉱山はより地球にやさしいはずです。
タンスの引き出しを開け、金の塊を取り出すだけなのですから。

もうお解りの通り、
経済産業省の担当の方が
「そんなことが、あり得るのですか!?」と驚いたのも、
物質・材料研究機構のK氏に
「それにしても良いネーミングですね」とご感心をいただいたのも、
このタンス鉱山の存在によるものです。

【連載企画第69回】金は売り時?買い時? vol.33


もっと大きなインパクトのある、
効果が期待できる削減方法・・・。

CO2を削減するという意味では、
この都市鉱山ほどのインパクトはないでしょう。

ただし、こと“金を採掘”するという意味では
一つあたりに0.04グラムだと、
天然鉱山に比べてその埋蔵量は効果的でも
まだまだ気が遠くなるお話です。

携帯電話の回収はあくまでも第一段階。

「もっと効果が上がる方法は他にないか?」

「次のステップである第二段階では、どんなことがでるだろうか?」

こうして考えた時、ひとつの鉱山に考えが至ったのです。


■新たなる鉱山

筆者はその鉱山のことを“タンス鉱山”と呼んでいます。

具体的には次のものを指します。
「タンスの中に眠っている不要なジュエリー」

このタンス鉱山、
1トンに対して採掘される金はなんと75万グラム、
含有率にして75%という巨大なポテンシャルを持つ鉱山です。


ウソみたいな話ですが、本当の話です。
バカみたいな話ですが、大真面目な現実のお話です。

これは、
ゴールドジュエリーのうち市場の9割以上を占める
18金のジュエリーを主に想定したもので、
この場合、
正に“金の塊”が、そこにそのまま存在するのです。

18金というのは24分率で表したものですから、
24分の18で求められる75%がそのまま金として採掘されるのです。

もっと言えば、
残りの25%に含まれる銀や銅、
パラジウムなどもこのタンス鉱山に含まれます。

【連載企画第68回】金は売り時?買い時? vol.32


続きまして近年着目されている都市鉱山です。


都市鉱山1トンより採掘される金はなんと280グラム(程度)と言われております。
含有率にして0.028%、つまり46倍もの量の金が、
しかも効率良く採掘されるのです。

勿論、
都市鉱山と言えどさまざまなものがありますから、
これは大体の数字ではあります。

例えば、
携帯電話は0.04グラム程度の金が含まれています。

1トンを丸々携帯電話(1個100グラムとして)だけで集めるとすると、
携帯電話1万個の都市鉱山となります。

するとこの場合(10000×0.04=400)、
1トンに対して400グラムもの金が採掘できることが解ります。

これぞ都市鉱山が着目される所以であるのです。

そして、
その埋蔵量というのが前述しましたように
世界の現有埋蔵量の16%にあたる6,800トンもの大量さなのです。

日本は紛れもなく都市鉱山大国、都市鉱山先進国であり、
この都市鉱山の活用方法を世界が注目しているはずです。

何故ならば環境問題の上でもCO2を50分の1にまで
抑える効果が確認されているからです。

50分の1というよりも98%オフといった方が、
その効果が伝わりやすいかも知れません。

企業ベースではDOWAホールディングスなどが新たな技術の開発、
中国への進出など活発的であります。

ただ、
我々一般の市民でも、何かできることはないだろうか。
そう、考えるのです。

これだけ莫大なポテンシャルを持った都市鉱山というものが今、
私達の身の回りにある。

原田氏も言われておりました。

「現実には「レジ袋」を削減しただけで、社会全体でどのくらいのCO2が削減されますか?もっと大きなインパクトがある、効果が期待できる削減方法が他にあることは簡単に分かっているはずです」

【連載企画第67回】金は売り時?買い時? vol.31


■天然鉱山と都市鉱山

それではまず、
天然鉱山である金鉱脈から金を採掘する場合の
数字を見てみましょう。


天然鉱山1トンより採れる金は大体3~6グラムです。

これは一般の「山」からではなく、
あくまで金が含まれているとされる
金鉱脈から採掘した場合の数字です。

図の[42,000㌧]の2の数字の下辺りにある
小さな点が見えますでしょうか。

天然鉱山から採れる金とは、
これっぽっちの程度であるのが伝わるかと思います。

1トンは1000キログラム、1キログラムは1000グラムなので100万分の6、
つまり多く見積もってもその含有率は0.0006%でしかないのです。

採掘者にとっては気が遠くなるような作業ですが、
逆に言えば金がどれほど希少な金属なのかということが伺えます。

そして、
前述したように近年生産量を着実に伸ばしている中国も、
特殊部隊「摸金」を筆頭にこの金を含む鉱脈を探査、発見し、
こういった割合で採掘しているのです。

話は戻りますが中国の生産量、
2008年は292トン、2009年は324トン、2010年は350トン。
一体、どれほどの大地を削っているのでしょうか。

生産量300トンとして単純計算すると、
5千万トンもの山を削っていることになります。

いずれにしても、
莫大な環境を破壊している上に
この天然埋蔵量も残り42,000トン(※注)、
近未来においてこの採掘方法が見直されるか、
そうでなくともやがては自然と枯渇する資源であるのです。

注)確認されている埋蔵量は7万トンとも言われますが、
地下4000メートルの深部や太平洋の海底など非現実的で、
42,000トンというのは現実的な数字であります。

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